人気ブログランキング | 話題のタグを見る

駅前団地

駅前団地_e0172635_11215867.jpg

1961年作品。
私が生まれる少し前、だから懐かしい風景が。
自分の子供の頃の写真のバックがまさしくこの映画のようだった。
山を切り開いて、田んぼを売ってじゃんじゃん住宅にしてた時代。
勢いが今とは全然違う。
森繁久弥、フランキー堺、伴淳三郎、森光子・・・面白くないわけがない。
坂本久ちゃんが唄い、フランキー堺が飛び回る。
バタバタ喜劇は今となってはストーリー自体は物足りないけど、
その時代を楽しむには十分。


公開当時、映画館に観に行こうかと思ってたけど・・・。
駅前団地_e0172635_11305746.jpg

密室劇だから舞台を見ている感覚。
登場人物も少ないし、なにより「おもしろい」と期待されてる環境でこういうのって難しいだろうなと、いらぬお世話を。テンションはずっと高いまま維持して、ところどころきちんと笑わせるっていうのは高度な技術。
ユースケ・サンタマリア、つかじはその要員で、存在だけでも笑わせられる保険のような。
香川照之はきっちりこなして。
ばかばかしい話と承知の上で、笑えるか。
すごくおもしろいかって言ったらどうか。
映画館でお金を出すかって言ったら出さないかも(笑)
くだらない映画もあり。
# by dandanjunjun | 2009-09-15 12:04 | 映画 | Comments(0)

The visitor 扉をたたく人_e0172635_10582066.jpg

待ってた映画。
静かに始まり、だんだん強くなってくる。
初老の大学教授。
妻を亡くし、空虚な日々。
この空虚さがじわじわ浸み込んでくるように伝わってくる。
ピアノを習ったり、仕事をしてるふり、忙しいふり。
寂しいって表情からは読み取れなくても、妻を愛してたこと、失った喪失感は生活してはいるものの、生きていないような姿から伺える。
そんな彼の生活が変化する。
それを求めていたのかも知れないけど、「生」がそうさせたのか。
内容は辛い現実で、どうにもならない問題だったし、解決したわけでも、誰かが幸せになったわけでもないんだけど、それぞれに何かが残った。
私には恋愛映画にも見えた。
人生がもう終わってしまったと思うより先に、抜け殻のようだった人に、心から惹かれる女性が現れる。
現れたというような激しいものじゃなく、支えようと手を差し伸べたときにはすでに支えあっていたような。
The visitor 扉をたたく人_e0172635_11103538.jpg

この前見た「シリアの花嫁」で花嫁のお姉さんだったヒアム・アッバス。
その前には「パラダイス・ナウ」で主人公の母親。
どちらも、強い強い女性だった。
今回、息子を心配する母親だったが、夫を亡くし、息子を守り懸命に生きる姿に、また強さも感じたけど、それとともに、隠しても溢れる女性らしさやかわいらしさが見られた。
現代が抱える大きな問題に、立ち向かう力は小さくても、人は生きたいし幸せになりたい。
望む場所で惹かれる人と共に生きたいと心の底から願う。
それが叶わなくても、そう願う気持ちで生きていけるのかもしれない。


同じ「喪失感」をこの映画で。
The visitor 扉をたたく人_e0172635_11301863.jpg

「ぐーぐーだって猫である」。
原作は知らないし、大島弓子って大昔に漫画読んだ記憶が、ってくらいで。
猫を亡くした漫画家、歳は私と同年代。
「ずっと漫画描いてた」って言ってるように、本当にずっと漫画を描いてたんだろう。
狭い世界で、大好きな漫画を描くことだけに一生懸命だった主人公。
心惹かれる人にも、もう一歩近ずけない。
小泉今日子の声が小さくて(笑)すごいボリュームで観なくちゃいけないんだけど。
猫が何しろかわいくて、猫好きは観たら喜ぶんじゃないかしら。
もうひとつの見所は加瀬亮。
何度かこの人の出てる映画を観て、私は密かに天才だと思ってる(笑)
それは置いといて、この役「セイジさん」は私の理想の男(笑)
まあ、お医者さんだったのはおまけとしても、こんな人が目の前に現われたら、私もお酒をこぼすだろう。
猫を飼いたくなる映画。
# by dandanjunjun | 2009-09-14 11:45 | 映画 | Comments(2)

OSAKA ELEGY(1936)


youtubeで鑑賞。
7つに分かれているけど、うまく重なってるのでちゃんと最後まで堪能できる。ありがたい youtube。
溝口健二監督は、「赤線地帯」が遺作となるが、やはり女性に焦点をあてて映画をつくっていた。
この作品もまたまた男は酷い。
山田五十鈴の声がちょっと高めで、若々しいのと、歯切れのいい関西弁のせいか悲壮感は画面から伝わらない。「夜のおんなたち」のような悲惨さと救いようのない落ちっぷりは感じられないが、男たちの犠牲になって、落ちるところまで落ちていく女の姿は同じ。
本来なら、父親や兄のために身を落とした女を家族は暖かく迎えるであろうシーンも、冷たく突き放される。
全てを失い途方に暮れる女なのに、最後の横顔はすがすがしくかっこいい。
この先の人生でも男に翻弄されるのかもしれないけど、それでも女は強くしぶとく生きて行けそうだと思える。
この監督の映画を観ていると、まんまと「男なんてそんなもん」って思ってしまうけど(笑)そんな男がいるからこそ、女は輝いて見えるのかも。
# by dandanjunjun | 2009-09-12 11:20 | 映画 | Comments(0)

饅頭こわい


昨日、お土産でいただいたお饅頭を二つ食べながら、DVDで師弟の「饅頭こわい」を聴き比べ。

饅頭こわい_e0172635_1104764.jpg

私はどちらかと言うと、「博多とおりもん」が好きだけど、頂き物に文句は言えないし。
# by dandanjunjun | 2009-09-11 11:10 | 落語 | Comments(2)

雨月物語


溝口健二監督。
この映画でもやっぱり男は・・・。
お金儲けばかりに夢中な夫。妻や子供のためではあるが、欲に目がくらみ・・・。
その上、女にも。
しっかりものの妻が、夫の身を案じ、息子を守り、自分の亡き後、ようやく目の覚めた夫を見守る。
古くて、モノクロにもかかわらず、映像は美しい。
フランス語の先生が、「mizoguchi no uzukimonogatari mimashita」って言ってたから、外国でも評価が高い。日本に来る前に、レンタルビデオで借りたらしい。
雨月物語_e0172635_1149227.jpg

カラーのポスターって雰囲気違って台無し(笑)
# by dandanjunjun | 2009-09-10 11:50 | 映画 | Comments(2)