人気ブログランキング | 話題のタグを見る

杉村春子

杉村春子_e0172635_1134798.jpg

新藤兼人著。
長年一緒に仕事をしてきた著者が、杉村春子を語る。
女優になりたい(笑)
こんな風に生きたい。
映画でしか知らなかった杉村春子。
私も一瞬で好きになった「満員電車」での笑い声。
この本にもある、独特な笑い声と。
泣く時は思いっきり泣き、泣き崩れ、色んな場面で笑う。
3人の男を愛し、愛され、生涯女優だった女(ひと)。
時代、生い立ち、女優が女優となる土台は想像もつかない過酷なものであったはずでも、何故だかその生き方にはうっとりとしてしまう。
愛した人たちの死に目には、女優であるゆえに立ち会えない。
「だって舞台があるから仕方ないでしょ」
どんなに泣き崩れても、舞台で演じることはできる。
だからと言ってけして愛情が少なかったわけじゃなく、逆に激しい恋愛だった模様。
「人を愛してなけりゃ舞台には立てない」とも。
この新藤兼人監督は「愛すべき無神経」とも言っている。
果たして事実そうなのか、私にはわからないけど、ただ真っ直ぐに自分の道を選んできた結果なのかと。
平和な時代に生まれ、多少の失敗と脱線をし、親の期待は裏切ったものの、無意識のうちに自分の人生を生き易い方向へ(親が悲しまない程度)と向けてきた自分とは全く違った生き方。(比べる必要もないんだけどさ)
潔く、相手を非難せず、自分の道を歩き続けるというのは困難でもある。
でもそれしか道を選ばないというのがかっこよくてしかたない。
もう映像でしか観られないのが残念で、一度でいいから舞台に立つこの人を見てみたかった。
by dandanjunjun | 2010-04-14 11:59 | | Comments(0)