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The visitor 扉をたたく人

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待ってた映画。
静かに始まり、だんだん強くなってくる。
初老の大学教授。
妻を亡くし、空虚な日々。
この空虚さがじわじわ浸み込んでくるように伝わってくる。
ピアノを習ったり、仕事をしてるふり、忙しいふり。
寂しいって表情からは読み取れなくても、妻を愛してたこと、失った喪失感は生活してはいるものの、生きていないような姿から伺える。
そんな彼の生活が変化する。
それを求めていたのかも知れないけど、「生」がそうさせたのか。
内容は辛い現実で、どうにもならない問題だったし、解決したわけでも、誰かが幸せになったわけでもないんだけど、それぞれに何かが残った。
私には恋愛映画にも見えた。
人生がもう終わってしまったと思うより先に、抜け殻のようだった人に、心から惹かれる女性が現れる。
現れたというような激しいものじゃなく、支えようと手を差し伸べたときにはすでに支えあっていたような。
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この前見た「シリアの花嫁」で花嫁のお姉さんだったヒアム・アッバス。
その前には「パラダイス・ナウ」で主人公の母親。
どちらも、強い強い女性だった。
今回、息子を心配する母親だったが、夫を亡くし、息子を守り懸命に生きる姿に、また強さも感じたけど、それとともに、隠しても溢れる女性らしさやかわいらしさが見られた。
現代が抱える大きな問題に、立ち向かう力は小さくても、人は生きたいし幸せになりたい。
望む場所で惹かれる人と共に生きたいと心の底から願う。
それが叶わなくても、そう願う気持ちで生きていけるのかもしれない。


同じ「喪失感」をこの映画で。
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「ぐーぐーだって猫である」。
原作は知らないし、大島弓子って大昔に漫画読んだ記憶が、ってくらいで。
猫を亡くした漫画家、歳は私と同年代。
「ずっと漫画描いてた」って言ってるように、本当にずっと漫画を描いてたんだろう。
狭い世界で、大好きな漫画を描くことだけに一生懸命だった主人公。
心惹かれる人にも、もう一歩近ずけない。
小泉今日子の声が小さくて(笑)すごいボリュームで観なくちゃいけないんだけど。
猫が何しろかわいくて、猫好きは観たら喜ぶんじゃないかしら。
もうひとつの見所は加瀬亮。
何度かこの人の出てる映画を観て、私は密かに天才だと思ってる(笑)
それは置いといて、この役「セイジさん」は私の理想の男(笑)
まあ、お医者さんだったのはおまけとしても、こんな人が目の前に現われたら、私もお酒をこぼすだろう。
猫を飼いたくなる映画。
Commented by pukunilongo at 2009-09-14 16:38
へ〜〜、せいじさんが理想の人なのね。
で、加瀬亮って、もともと好きな俳優だよね?
完璧だね。(笑)今までスルーしてたけど見たい!
どんな人が理想なんだろう。
Commented by dandanjunjun at 2009-09-15 11:10
pukuさん
のっけからやられます(笑うよ)自分でも驚いたけど、このセイジさんを見て、こういう人がタイプってマジで思った(笑)
by dandanjunjun | 2009-09-14 11:45 | 映画 | Comments(2)