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PARIS

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8時からの上映で観客2人。
今まで見たジュリエット・ビノシェの中で、私には最高に素敵だった!
問題はたくさん抱えてるけど、疲れた顔もとっても綺麗だった。
大袈裟じゃないパリの色んな顔が見られて2時間以上の長さも気にならない。
たくさんの大人が抱える問題と複雑な感情が、どれも瑞々しく感じられるし、
若さに対する引け目や、老いる怖さも少なからず感じられる。
年をとるのは素敵なことだけど、ふとしたことでつまずいた時、立ち上がる気力が少しずつ衰える。
それでも立ち上がろうともがく姿は、滑稽だったりするかもしれないけど、愛おしい。
役者さんはみんな上手い。
それぞれが自分の演技で、ちゃんと生きてる感じがした。
中でも、ファブリス・ルキーニは大学教授で、生徒に恋をするが、
それを弟夫婦に話したら、「アプローチはしたのか?」って(笑)
日本のモラルなら「生徒はまずいだろう」ってことになるはずだけど、
ここで重要なのはアプローチの仕方。
ストーカーまがいの行動にしか出られない情けないいい年のおじさん。
けれど、天使のような女学生はあっさりベットへ。
とは言え、手に入れたわけじゃない。
若い女の子に振り回されたり、自分の地位に不安を感じたり、
弟を羨ましく思ったり、中年男性も複雑。
ストーリーの要には「死」っていう大きな問題がある。
辛い別れや、死の恐怖だけを感じるわけじゃなく、
それも人生として時は流れていく。
いろんな人生が交差していく中で、「生きてる幸せ」がたくさんある。
by dandanjunjun | 2009-03-27 10:48 | 映画 | Comments(0)